平成27年度に文化財保存修復研究所として専用施設が完成し、各事業や研究が同施設内で進められています。より体系的に、また効果的に研究作業が進められるよう各種道具や調査機器などを導入し、研究成果に活かしています。
施設紹介
外観
左奥、2階建ての建物です。手前にはAV設備を備えた講義室を併設し、外部講師を招いての講義などに使用しています。
調査事務室
24時間空調を備えた調査室には精密顕微鏡を導入し、修理作品のより詳細な調査が可能です。
写場
可視光はもちろん、赤外線?紫外線撮影も可能なカメラを用いて修理前調査や修理途中、修理後の記録も取ります。
装潢(ソウコウ)室
掛軸や屏風など日本画作品の修理?仕立てを行う部屋です。装潢台や仮張りなど表具には欠かせない道具も完備しています。
科学処置室
IHヒーターや大型シンクを設置しており、薬品を用いる作業や染色などを行います。
模写室
模写を中心とした古典絵画研究、保存修復を学ぶ研究室に所属する大学院生が模写制作を行う部屋です。
学生用装潢(ソウコウ)室
大学院の模写課題では制作だけでなく表装も学生自身で行います。
新しく描いた作品と、修理物件でやってくる古い作品では勝手が違う部分もありますが、この表装実習もあわせて日本の伝統的な表具技術を学びます。
設備紹介
保管庫?耐火収蔵庫
24時間空調で温湿度管理を行うほか、耐火収蔵庫も完備しています。作業前の作品や修理が完了した作品の一時保管場所となります。
光学調査機器
写真の実体顕微鏡は、アーム部分を調整することにより、作品部分のミリ単位の箇所を、非接触で詳細に確認できます。
表装道具
装潢(ソウコウ)作業に使用する表装道具です。刷毛、定規、水嚢など、道具そのものにも伝統技術が活かされており、長期に渡り大切に使用を続けています。