博士前期過程では、彫刻における専門的素養に立って独自の創造性を高め、様々な知見を通して研究を深めてゆきます。彫刻領域内の6つの研究室で、彫刻の歴史を踏まえつつ、今日的手法を含む多岐にわたる表現を織り込んだ創作?研究を行います。また領域を越えて地域や社会と連携するプロジェクト研究などを受講することができます。取得できる学位は修士(美術)です。
カリキュラムCurriculum
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修士総合研究
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彫刻?現代美術
専門領域である彫刻?現代美術を総合的に研究し、独自性のある表現活動を目指します。そのため本授業では「時代」「社会」「自身が活動する場」を考察し、また彫刻に必要な形態?空間?素材?技術等について造詣を深くします。
空間表現
彫刻領域における空間表現とは、各自の作品において空間を取り込んだ表現のことである。彫刻とは、第一に素材を加工したり用いたりする「もの」による表現だが、その「もの」の周りの空間に焦点を当てることで、空間を作品の主要な要素として扱うことができる。手に掴むことができない空間にどのようにアプローチしていくのか。どのように空間に切り込み、空間を捉え、表現として成立させていくのか。様々な試みを通して研究を重ね、各自の作品制作に繋げていくことが本授業の目的である。
環境芸術
各々の切実なテーマは、身の周りで起きている様々な事象と共振している。よって表現の領域は文化や芸術にとどまらず、社会の成り立ちや制度、生命とその活動、テクノロジーやネットワークなど、自然環境に包含された人間社会のあらゆるところに広がっている。このような視点に立ち、本授業では個々が身につけた専門性を礎にしつつ、時にはその境界を超えて実践し、総合的表現を探求する。
彫刻(木彫?石彫)
「彫刻(木彫?石彫)Ⅰ」を踏まえたカービング領域における様々な立体造形活動の実制作をさらに進め、新しい立体造形表現の可能性を探る。
複合表現
「自身の研究に対する確認作業は常に研究の基礎となるものである」。学部における学習と研究の総決算である卒業研究(制作)は、研究科における研究科の基礎となるものである。複合表現Ⅰ~Ⅳでは、制作とディスカッション、研究室が実施する「種蔵プロジェクト」等学外での活動、及び高大連携のレクチャー等への参加を通して、研究に必要な分析?統合の力を養い、自身の研究の明確化と創作者?研究者としての姿勢を身に付けることを目指す。
彫刻?立体表現
様々な実験や行為を繰り返しながら、独自の表現を探求する。
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修士総合研究
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塑造技法
新しい塑像表現の可能性を追求する。
鋳造技法
乾漆技法
古代から用い続けられている漆素材と技法ついて学びながら、古典的技術の応用による新たな表現を試みます。
金属彫刻A?B
金属加工に関する技術及び専門知識を身につけ、金属による表現の可能性を探求する。
アートと環境A?B
今日では「アート?プロジェクト 」や「ソーシャリー?エンゲージド?アート」などと称される、広義でのアートと社会、環境との関わりに着目する。観衆の参加や異分野との協働など、その特徴的な表現者のあり方や態度とその背景を知り実践を試みる。
石彫造形研究
カービング領域における石を素材とした立体造形活動の研究を通して、石を用いた造形表現の特色と技法を探る。
石材材料研究
石材立体造形表現に用いられる石材の調査研究を通して、石を用いた立体造形表現の可能性を探る。
樹脂研究
表現にかかわる重要な要素のひとつである"素材"について考察し、大学院(修士課程)における個々の研究に役立たせることを目的とします。
木彫造形研究
カービング領域における木を素材とした立体造形活動の研究を通して、木を用いた立体造形表現の可能性を探る。
粘土技法研究
今まで持ち続けていたモデリングの素材としての粘土(土)という概念を捨て、新たな素材として粘土(土)と向き合い、オリジナルな個の表現の可能性を探る。
テラコッタ技法研究
紀元前から人間が関わってきた土でものを作り、焼く。その歴史を考察し、現代に生きる私たちがその素材や行為のなかから何を生み出せるかを考え、個々のテーマで表現へと展開する。
彫刻とドローイングA?B
彫刻とドローイングの関係について考察?研究し相互理解を深めることで、自身の本研究?制作活動の補完的な役割を担う。
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修士専門研究
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修士専門研究(彫刻領域)